鍼灸師≒デザイナー

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こんにちは鋤柄です。「お灸×デザイン」@大阪もいよいよ今週末と差し迫ってまいりました。張り切ってブログの方も更新していきたいと思います。

 

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vol.2鍼灸師≒デザイナー

前回のブログでふつうの鍼灸師である私がなぜデザインについて語るのか?その理由についてご説明させて頂きました。 ただそこまで聞いても、やはりデザインというのはどこか縁遠いものと思ってらっしゃる方も多いのではないでしょうか?今回のテーマは、私が考える鍼灸師とデザイナーに共通する部分についてです。「それなら私もできるかも」と思って頂くことが本日のゴールです。

 

この件についてデザインの世界ではこのような言葉があるらしいです。

 

「デザイナーとは医者のようなものである」読み人しらず

 

つまり、デザイナーとは医者(鍼灸師)のようなものであり、医者(鍼灸師)とはデザイナーであると言い換えることもできるかもしれません。まずは両者の仕事の流れをざっとまとめてみましょう。

 

鍼灸治療 / デザイン
①診察(ラポール) / 発見(共感)
②方針の決定 /  コンセプトの決定
③治療 / 発注
④アフターフォロー / レビュー


鍼灸であれば患者さんは心身について「痛みをなんとかしたい」「きれいになりたい」などなど何らか問題や希望を抱えて来院されます。デザインでも同く「もっと売れるように」「かわいくしたい」などなにかしらの課題や目的があってデザインはスタートします。最終的な方法こそ「鍼灸」と「デザイン」で異なりますが、顧客の問題を解決するという点では両者は共通しています。

なかでも私が鍼灸師とデザイナーが似ている、と思う一番のポイントは【①診察(ラポール) / 発見(共感)】【②方針の決定 /  コンセプトの決定】のところ。いわゆる診断の部分です。この仕事をはじめて10年ちょい、業界的にはまだまだヒヨッ子の鍼灸師ですが、経験をかさねるごとに診察の重要性を感じます。

 

鍼灸師とデザイナーさんの診断

望診(目で見る)→観察
聞診(声やにおいを聞く)→リサーチ
問診(問かける)→インタビュー
切診(触れる)→ラフ作成

 

たとえば患者さんが頭痛で来院されたとして「頭痛ですか、じゃあ頭痛のツボにお灸しましょう」とはなりません。いつから、どれくらい(強度、頻度)、どこが、どんな風に痛いのか?お悩みの全体像を把握する。そして生活のどのシーンで不都合を感じているのか?どのようになりたいのか?についてもうかがいます。治療の前には必ず診察、診断が先行するのです。

デザインも同様に、「鍼灸院のロゴ作ってください」とお願いして「了解です。はい、できました!」とはならないわけです。ロゴにどんなことを求めているか(わかりやすさ、親しみ、重厚、かわいい…etc)?どんな会社か?患者さんはどんな人か?どんなことをしていきたいと思っているか?双方のイメージが一致した状態で「では後日ロゴの案を数点用意しますね」となるのが普通です。(反対にこの人には仕事を任せたくないな、という営業やデザイナーさんはいきなり商品の提案をしてきます。ひとつのチェックポイントになるやもしれません)


さて、共通項が多く見受けられる鍼灸とデザインですが、実は両者の間では最終的に行うサービス以外で異なるポイントが1つあります。それはフォーカスする対象です。デザイン(またはデザイン思考)の診断が『人を中心に考える』というのに対して、鍼灸の診察は『(基本的には)病を中心に考える』という違いです。

 

こういった理由から患者さんの健康状態はデザインすることができても、患者さんとの関係はデザインすることは苦手なのかもしれません。ただし本質的に必要とされる素養(診断力、課題発見力、言語化力etc)は共通しているので、鍼灸師はそれをすでに持ち合わせているはずです。


今まで病を見ることに特化していた技術を患者さん自身に向けることができれば、鍼灸師と患者さんの関係をデザインすることは意外とたやすいのではないでしょうか?治療と同じ、きちんとした診断がたてば道筋はおのずと明快になります

 

以上が鍼灸師≒デザイナーについてのわたしの考えです。ブログはまだまだ続きます。………to be continued


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セミナーに参加される方へ】
セミナー当日は以下のような流れで進行致します。


Ⅰお灸堂×デザイン…コンセプトと実例集
鍼灸師×デザイン…鍼灸師≒デザイナー
Ⅲ〇〇をリ・デザイン…当たり前を見直すワーク

こちらのセミナーでお話する内容は意図的にこちらのブログ書くようにしています。その理由は
ご参加頂く皆様に当日は学ぶことより「考えたり手を動かすことに集中して頂きたい」という意図によります。頑張って更新しますのでこちらのブログはぜひ予習テキストのつもりでご覧くださいませ。