「お灸×デザイン」の理由

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こんにちは鋤柄(すきから)です。この度、お灸×デザインというテーマでセミナー(ワークショップとお話)をさせていただくことになりました。

 

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「臨床」でも「経営」でもなく「デザイン」というのはちょっと珍しいかもしれません。そんな変わったセミナーに、すでに多数の方からお申込みを頂いています。どうもありがとうございます。いよいよセミナーの本番も近づいてまいりました。準備も進めつつ、ご参加いただく皆様が万全の状態でセミナーにご参加いただけるようにこちらのブログで情報の補足をしていきたいと思います。

vol.1「お灸×デザインの理由」

まずはじめにお伝えしなければならないのは、私はデザインができるデザイナーではないということです。どこにでもいるふつうの鍼灸師。ふつうの一人治療院の院長です。ではなぜデザイナーでもない私がデザインについてセミナーをすることになったのか?今日はその理由についてお話ししようと思います。

 

私は今年で鍼灸師になって11年になります。鍼灸ってのは良いお仕事で臨床を続けていると患者さんのご調子が改善される嬉しい機会に遭遇できることがままあります(もちろんすべての患者さまというわけではありませんが)。「もっともっと多くの方に鍼灸を受けて頂き、お役に立ちたい」というのはきっと鍼灸師ならば誰もが思うことでしょう。ただ我々の受けて欲しい気持ちとは裏腹に鍼灸を受けるためのハードルは高く、適応症であるにも関わらず治療するに至らないケースも多々あります。私自身「鍼灸ってのはモノは良いのになかなか伝わらないなあ…難しいなあ」というのが開業以来の考えであり、悩みの種でした。

 

そんな考えが変わるきっかけになった出来事がありました。それは数年前にはじめて出店した手作り市でのことです。開業当初はとっても暇だったので院でサボっているよりは…と販売用に台座灸を持って、軽い気持ちでの近所の公園へ向かいました。なにせはじめてのイベントだったので名前でも覚えてもらえばいいかなくらい気持ちだったのですが、蓋を開けてみると丸一日大盛況。持ってきたお灸も売り切れて、のどがガラガラになるほど一日中鍼灸東洋医学の話をお客さんに披露していました。この出来事から

「ひょっとして皆鍼灸のこと大好きなんじゃないの?」
「こちらが難しく考えすぎていただけなんじゃないの?」

なんてことを感じました。現場で一般の方の声に触れると鍼灸は世の中からもっと必要とされていて、私がそちらの方を向いていなかったのではということを痛感しました。

 

鍼灸師「受けて欲しいのに受けてもらえない」
患者さん「(悩みを改善するために)受けたいのに受けられない)」

 

両者の思いは相思相愛のようでいて、現実にはミスマッチが起こっています。このミスマッチこそが問題のボトルネックなのではないか?というのが私なりの考えです。ではこのミスマッチの原因はなんなのでしょうか。技術なのか?経営なのか?伝え方なのか?………頭をしぼって考えている最中にたどり着いたのが今回のテーマ「デザイン」でした。まずデザインの意味を引用しておくと

デザイン【design】
① 下絵。素描。図案。
② 意匠計画。製品の材質・機能および美的造形性などの諸要素と、技術・生産・消費面からの各種の要求を検討・調整する総合的造形計画。

 

と、あります。意味から察するに計画、意匠、課題解決といった意味でとらえることができます。強調しておきたいのはデザイン=装飾(オシャレ)ではないということです(実際の問題として単純にオシャレにするだけでは問題は解決できないと思っています)。わたしの場合は問題解決、チューニング、調整といった意味合いでこの言葉を使っています。

 

患者さんと鍼灸師の間で微妙にすれ違った関係をちょうど良く「デザイン」すること。「デザイン」を通してもう一度患者さんと向き合うこと。それがこれからの私たちには必要になってくるのではと思っています。この発想を多くの方を共有したい。この課題に共に取り組む仲間が欲しい。そんな想いからこのようなセミナーを行うに至りました。ひとまずこのあたりが「お灸×デザイン」の理由となります。一緒にお灸×デザインを考えましょう。

 

開催日は刻一刻と近づいてきますがもう何回かは更新してお灸×デザインを深堀していきたいと思います…………to be continued

 

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ここまで読んで「ちょっと気になるな…」という方は当日ぜひお会いしましょう。「もう申し込んだけど思ったのと違う…」という方はご遠慮なくキャンセルなさってくださいね。