看板の作り方【2018年最新版】

看板の作り方【2018年最新版】

 


人生のうちで「看板を作る」という機会はそうあるものではないかもしれません。しかし、あなたがお店をはじめる予定があるのなら看板は必要になることでしょう。文字通りお店の顔となる看板。これが意外と曲者で既製品は良い物が少ないし、お願いするにも正直よくわかりません。「とりあえずわかればいいや」ではちょっと味気がないですよね。そんなわけでお灸堂では院長鋤柄が看板を手作りをしています。看板については以前(お灸堂のA型置き看板をDIYする方法 – 新町 お灸堂 – Medium)にもまとめたことがありますが、さらに簡単にできる方法にたどり着きましたので改めて記録しておこうと思います。

f:id:okyudo:20180120003024j:plain

こちらの看板の作り方です。

f:id:okyudo:20180120002920j:plain

歴代の看板たち。左から初代、二代目、三代目

まだ処分していなかったので記念に一枚。改めて考えるとお灸堂は開業4年と少しなのに看板は3代目。1年ちょっと毎というハイペースで看板を変えてその都度リニューアルしています。

必要な材料

●板×2枚(当院はタモ集成材)
●丁番
●あおり止め※1
●マスキングテープ
●デザインカッター(orレーザーカッター※2
●スプレーのり(レーザーカッターの場合は不要)
●水性ペンキ(好きな色)
●刷毛
●ワックス(ブライワックス)
●ぞうきん(ワックス塗り込み用)
●木材防水スプレー
●新聞紙

※1検索して頂ければ「ああこれか」とわかるはず
※2最近は都会に行くと機材を貸してくれるところがあるはず

 作り方

⓪構想を練る

看板なんてものは世間にあふれるほどあるので一見簡単そうですが、自分でやろうとなると意外と手が進まないもの。「言うは易く行うは難し」の典型のように思います。まずはどんな看板を作りたいか構想を練ります。私の場合は京都市内をフラついて気になったり目についたりする看板を写真で撮りためていました。こういう時はすでにある良いものをマネるのが一番。f:id:okyudo:20180122000924j:plain出歩くのが面倒な方はPinterestピンタレスト)というアプリが沢山情報を集められて便利です。さらに面倒な方は今回まとめた方法でとりあえず作ってみましょう。

 

①材料の準備

ほとんどは近所のホームセンターでまかなえますが、看板の肝となる木材とワックスについて少し。

〇木材

ホームセンターでも購入できますがWEBで木材を注文するのがおススメです。コストが安く済むというのポイントですが、一番の利点は厚さや形が自由に選べるということ。後述しますが、薄いと軽くて飛んでしまったり、変形してしまうというトラブルが起こります。厚め(25㎜以上)が本物感が出てグッドです。うちが良く使うのはこちらの業者さん⇒(https://shop.woodworks-marutoku.com/)。木材の種類がたくさんあって迷いますがうちではタモ集成材というものを使用しました。これはお好みで。

〇ワックス

木材の着色、つや出し、保護を目的としたものです。私はブライワックスという蜜蝋ワックスを愛用しています。おススメポイントは以下の通り

1、色が沢山選べる(ナチュラル調からアンティーク調まで)

2、木目が生きるので高級感が出る

3、失敗しにくい(半練り)

4、塗り込む作業が楽しい

DIYした家具にはすべてこのワックスを塗り込んでいます。熱に弱いので屋外用には不向きなのかもしれませんが、そこは好みで。インターネットで購入できます。

 

②ワックスの塗り込み

まずは購入した木材にワックスを塗り込みます。ぼろ布に適量とって木材にゴシゴシと塗り込む感じ。結構力のいる作業ですが、木材に色が載ってどんどんツヤが出てきます。この作業をしていると「これから宜しくね~、頑張ってね~」と看板に愛着がわいてきます。塗りを重ねて磨きこむと少しづつ色も濃く、ツヤも増してお寺の廊下のような雰囲気が出てきます。好みの加減に近づくように仕上げてみてください。

 

③塗装の下地準備

ワックスで下準備ができたらいよいよ塗装に入ります。まずはせっかく塗ったワックスがペンキで汚れてしまわないようにマスキングテープでぐるりと覆います。

 

④塗装面の切り出し

f:id:okyudo:20180120003659j:plain

切り出した終わった看板

色が載る部分を抜いていきます。塗装面が簡単なものならデザインカッターで、電話番号や連絡先など細かい情報を載せるのならレーザーカッターの利用がおススメです。

〇デザインカッターで作業

1、ワードやエクセルで看板のロゴや文字を印刷
2、印刷した紙をマスキングテープに仮付けして位置の確認
(仮付けした状態で設置場所に置いてみて見やすさなどの確認をします)
3、スプレーのりを使って紙を張り付け
4、カッターで紙とマスキングテープを切り出す

〇レーザーカッターで作業

塗装面が複雑、自信がない、面倒くさい、という場合はレーザーカッターという機会を利用するのがおススメです。その名の通り、レーザーで必要な形に切り抜いてくれる機会であっという間に作業が終わります。こちらの機会は色々な場所で借りることができるのでご近所で探してみてください。(https://fabcross.jp/list/series/fabnavi/)看板が大きすぎると機械が対応できないので事前に調べておくことをお勧めします。

 

⑤塗装

カッターで抜いた部分をペンキで塗っていきます。スプレーでも塗装は可能ですがペンキの方がベタ感やツヤ感が出てキレイですのでお勧め。少し緊張しますがマスキングテープの上からベタっとペンキを載せてしまいます。ペンキを載せたら半乾きの状態になるまでしばし待ちます。半乾きの状態になったらまずキングテープをめくります。カッターで抜いた部分にキレイに色が載ってとても気持ちの良い瞬間です。注意点としてはペンキを乾かしすぎないことがあげられます。完全に乾いた状態でマスキングテープをはがすとペンキも一緒にはがれて…

f:id:okyudo:20180120003713j:plain

おわかりいただけるだろうか?ペンキが剥がれてしまいます

せっかく塗ったペンキが一緒にはがれてしまいます。結構落ち込みます。(この後もう一度マスキングテープを貼りなおし、もう一度カッターで切り抜いて塗装をしなおしました)皆さんはくれぐれもご注意ください。

 

⑥防水、防腐スプレーの塗布

屋外に置きますので木材用の防水防腐スプレーを塗布します。これを塗ってあげると雨の日も水をはじいてくれますので看板が長持ちします。

 

⑦組み立て

丁番で板を接続し、あおり止めで好みの角度に調整したら完成です。

f:id:okyudo:20180120003024j:plain

f:id:okyudo:20180120002951j:plain

これがあおり止めです

f:id:okyudo:20180120003007j:plain

上から、丁番は大きくてしっかりしたものを

今回作ったのはA型の置き看板と言われるものです。場合によってはもう少し厚めの板で立てかけるだけにしてもかわいいかもしれません。

 

過去の失敗ポイント

①木材はいいものを
手作りですませばコストは安く済みますのでその分木材は良いものを使った方がよさそうです。初代の看板は開業に合わせて友人に用意してもらったものですが軽いので強い風で飛んでいってしまいました汗。3代目は完成図上からの写真を見て頂くとわかるように少しづつ割れが出てきています。

②めんどくさがって手書きしない
ペンキ屋さんは刷毛で器用に看板を塗っていきますがあれはあくまでプロのなせる業。
一度刷毛での塗装も(割と器用な)妻がチャレンジしまいたが、手作り感が出る仕上がりになりました。これはこれでいいのですが…

f:id:okyudo:20180121174155j:plain

④塗装はペンキが吉
色々つらい思い出もありますが、塗装は断然ペンキがおススメです。看板らしい看板になります。

⑤防水処理はきちんと
初代看板は防水処理をまったくしない状態で屋外仕様していましたが数カ月で水のつく底辺の部分が腐ってきました。

⑥塗装の前に置いて確認を
3代目の看板は特に確認せず真ん中あたりに位置を決めてしまったのですが、実際配置すると目線よりやや低くなって見にくい位置でした。塗装の前に一度確認をしておきましょう。

⑦丁番は大きめのサイズで

f:id:okyudo:20180120002904j:plain

2代目の丁番は小さめの物を使っていましたが、ネジも小さいので経年劣化で最終的に写真のように外れてしまいました。大きめのしっかりした丁番がおすすめです。

手作りのメリット3つ

①コストが下げられる
見積りを出していないのでなんともいえませんが、コスト的には半分くらいには抑えられるのではないかなと思います。(実際の作業時間や周辺の機材を買い集めたりするとたのんでもあまり変わらない場合もありますが汗)

 

②心がこもります
自分で作った看板、家具は愛着も一層深まります。自分で作った家具で少しづつお店を育てて、患者さんお客さんをおもてなしできるのは日々の喜びです。掃除や手入れにも熱が入ります。

DIYマインドが育つ

「お金がないから」「気に入ったものがないから」「タイミングが合わないから」等々。油断していると色々な理由をつけて先送りをしたくなるのが人情というものです。DIYをしているとこのあたりのマイナスな感覚が「とりあえずやってみよう」「なければ作ろう」「失敗したら工夫しよう」というDIYマインドにチェンジしてきます。サントリーの創業者も言っていました「やってみなはれ」です。

まとめ

いかがだったでしょうか?私自身几帳面な方ではないので、いつもこんな感じに失敗を重ねながら創意工夫をしています。また実際に自分でしてみるとプロの仕事の価値や理由にも気が付くので、実際にお願いする時により具体的な依頼がしやすくなります(然るべきタイミングでは信頼できるプロの力を借りましょう)。「迷っていたけどちょっとできそうかも、、」という気がしてきた方はこの機会にぜひ看板作りにトライしてみてください。

 

ぜひお試しあれ!