「お灸×デザイン」の中身

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「お灸×デザイン」セミナー開催から1週間ほどが経過しました。残念ながら無事開催といかず大阪会場は台風のため中止に。楽しみにしてくださっていた皆様本当に申し訳ございませんでした。気を取り直してと再度企画した10月8日「お灸×デザイン」@KYOTO。こちらはなんとか開催をすることができました。ご参加頂いた先生方誠にありがとうございます。
 
残念ながらご参加いただけなかった方へのご報告、そして週末に差し迫った@NAGOYAへご参加いただく方のための予習として、セミナーの振り返りをしていきたいと思います。

vol.4「お灸×デザイン」の中身f:id:okyudo:20181018004654p:plain

「お灸×デザイン」の中身をご紹介

すでにお知らせしている通りですが、セミナー当日にお話する内容はほぼすべて事前に更新したブログに内容をまとめてあります。(以下の順番で読むと当日の流れに近いです)
 

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こんな感じで進んでいきます。参加者さんの半数くらいの方がブログを読んでからご参加頂いたようですが「事前に読んで来ていたので内容がすんなり入りました」とかご感想を頂きました。せっかくですのでさらっとで良いので読んで頂けると嬉しいです。
 

「お灸×デザイン」の中身をお伝えする意図

ちなみにこのように内容を事前にお知らせするのには理由がございます。

①実践できるようになって欲しい
②デザインの発想を共有する仲間が欲しい

大きくは以上の2点
 
①実践できるようになって欲しい
vol.2鍼灸師≒デザイナーの記事でも述べたように私は鍼灸師とデザイナーさんのベースには共通点が多いと考えています。なので少しのこつがわかれば誰でもデザインの入り口には立てるはず。ただし、そこからが大切で「知っている」から「できる」ようになるにはやはり実践をするしかないのだと思うのです。バットを振ることだけなら誰にでもできますが、上手に振ろうと思ったらやはり練習するしかないのと同じです。当日は皆さんに実践に集中して頂けるように事前に内容をお伝えしています。
 
②デザインの発想を共有する仲間になって欲しい
新しい考え方や習慣にチャレンジすることはワクワクもある反面、常に不安や脱落も隣り合わせです。ダイエットや筋トレと一緒。というか私だって鍼灸をデザインする仲間が欲しいんです。
 

「お灸×デザイン」でできること、できないこと

できること

・お灸と患者様の関係のデザイン
・自分自身のキャリアのデザイン
・患者さんとの関係を考える基本の型の習得

 
できないこと

・お灸実技

すいません実技は全く行いません。今回の主旨とズレますのでどうしてもという方はあとでこっそり聞いてください。私でお答えできることでしたらなんなりと。
 
ご感想(参加者さんのTwitterより抜粋)

参加者のみなさまは概ね楽しんでいただけたようでなによりです。私自身楽しさ満点でした。名古屋場所でも参加お待ちしております^^
最後に

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サプライズでセミナーの応援に来てくださったOKYUTシャツの産みの親。『サノワタルデザイン事務所』のお二人。ふつうの鍼灸師である私がこのようなテーマでお話でき
るのは身近にいるプロフェッショナルな先輩方のおかげです。この場で御礼申し上げます。(K上先輩もアドバイスありがとうございました)
  
 
 

お灸堂×デザイン

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vol.3「お灸堂×デザイン」

セミナーのご案内はこちら

 

生まれて30歳そこそこの人生ですが「今までで一番しんどかったのはいつ?」と聞かれたらそれは6年前、往診専門ですきから鍼灸院という屋号で活動をしていた時期です。1人目の子供が生まれ、妻のお腹の中には2人目の子供にいました。なりゆきで開業したものの思うように患者さんは増えず、収入の収入は雀の涙程度。食費や生活費をギリギリまで切り詰めても「月末の支払ができない、、、どうしよう」と毎晩夫婦で家族会議の日々です。人目を避けて日が明ける前にポスティングもしましたが成果はゼロ。資金も尽き欠け、ラストチャンスのつもりで撒いた新聞広告もリアクションなし。「あんな一生懸命学んだのに東洋医学なんてなんの役にも立たないじゃないか」と半ばやけくそにもなりながら、家族を養うことができない自分が情けなくて毎日消えてしまいたい気分でした。

そのまま鍼灸師の道をあきらめるという選択肢もありましたが、どうせ辞めるのなら最後に自分が一番してみたい形で仕事をしようと、有り余る時間で本や人から改めて仕事を学び、思いついたのがお灸専門という今の治療院のモデルです。そういった意味では僕は鍼灸師になって初めて本気でデザインをしたのは「新町お灸堂」だったのかもしれません…というわけで。

今回のセミナーにご興味を持って頂いた方はおそらく「デザインに興味がある」または実際に「デザインしたい」と思ってご参加頂いていることと思います(もし違う場合はこっそり教えて下さいね)。今回はお灸堂を通して私が考えるデザインの基本についてお伝えしていきたいと思います。

デザインの流れについては前回のブログで触れましたがデザインが起こる前段階としてまず課題や目的が発生します。そしてそれを解決するためにデザインが行われます。私の場合は解決するべき課題は鍼灸師と患者さんのミスマッチもしくは単純に「患者さんが増えない」です。そしてこの課題をデザイン(解決)するためには3つの要素が必要になると考えています。

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①やりたいこと(ヴィジョン)
②できること(持っている技術)
③あいて(だれに?)

 
逆に言うとこれらの要素のどれかが抜け落ちた場合デザインが困難になります。なので、もしあなたが「デザインをしたい」と思うのならまず解決すべき課題を発見して、さらにこの3つの要素についてを埋めていかなければなりません。以下はお灸堂(鋤柄)の場合。

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お灸堂のデザイン

①やりたいこと(ヴィジョン)…わたしが伝えたいこと、表現したいこと

東洋医学の独自の考え方、異なる視点

東洋医学で治療を行うことが最優先

・日常生活にかかわる悩みのサポート

・往診専門の経験から患者さんが落ち着ける自宅以外の場所の必要性

・慢性的なお悩みを改善するための養生の指導

 

②できること(持っている技術)…わたしが持っている技術(資源)

・お灸好き(鍼は嫌い)

・お灸が得意…糸状灸、知熱灸

・経絡治療

・若さ(親しみやすさ)

 

③あいて(だれに?)…誰に対するデザイン?どんな人

・子育て、仕事中の女性(35歳前後)

・お悩み…冷え、頭痛、疲労、めまい等、原因がはっきりしない不定愁訴。体調の変化

・状況…身体の変化、ストレス増(仕事、育児、介護などによる)、多忙

・(鍼灸に対する)インタビュー…興味はある、よくわからない、知らない、鍼が怖い

 

以上のことからデザインをするための優先事項

東洋医学で治療を行うことが最優先(道具は選ばない)

・技術を最大限生かす(脈診、お灸)

・患者さんが来院しやすくなるように(わかりやすく)シンプルさを追求する

・多忙な方でも対応できるようにする(セルフケアの充実)

 

これらを覆うことのできるデザインとしてお灸専門治療院「新町お灸堂」が生まれました。(ひとつの要素に集中せず複数の要素を行ったり来たりするのが重要。施術と同じ、陰陽は巡らさないと良い答えにたどり着けません。)特に強調しておきたいのはお灸専門が目的ではないという点ですまたこのプロセスをご覧いただければお分かりになるかもしれませんが、デザインを行う人、目的、相手が変わればそのデザインは変わります。つまり単純に誰かのマネをしてもその人にとって最適なデザインにはならないということです(外見にしてもサービスにしても)。私が皆さんにデザインが使える鍼灸師になって欲しいという意図はそこにあります。自分と患者さんと向き合いあなたらしい鍼灸院とその中身をデザインできるように学んでいきましょう。

 

セミナーでは以上の内容に加えて今までお灸堂でデザインしたものをそれぞれ簡単に解説する時間を設けます。デザインをするためのキホンのキに触れていただきたいと思います。

 

セミナーのご案内はこちら

鍼灸師≒デザイナー

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こんにちは鋤柄です。「お灸×デザイン」@大阪もいよいよ今週末と差し迫ってまいりました。張り切ってブログの方も更新していきたいと思います。

 

案内ページはこちら

vol.2鍼灸師≒デザイナー

前回のブログでふつうの鍼灸師である私がなぜデザインについて語るのか?その理由についてご説明させて頂きました。 ただそこまで聞いても、やはりデザインというのはどこか縁遠いものと思ってらっしゃる方も多いのではないでしょうか?今回のテーマは、私が考える鍼灸師とデザイナーに共通する部分についてです。「それなら私もできるかも」と思って頂くことが本日のゴールです。

 

この件についてデザインの世界ではこのような言葉があるらしいです。

 

「デザイナーとは医者のようなものである」読み人しらず

 

つまり、デザイナーとは医者(鍼灸師)のようなものであり、医者(鍼灸師)とはデザイナーであると言い換えることもできるかもしれません。まずは両者の仕事の流れをざっとまとめてみましょう。

 

鍼灸治療 / デザイン
①診察(ラポール) / 発見(共感)
②方針の決定 /  コンセプトの決定
③治療 / 発注
④アフターフォロー / レビュー


鍼灸であれば患者さんは心身について「痛みをなんとかしたい」「きれいになりたい」などなど何らか問題や希望を抱えて来院されます。デザインでも同く「もっと売れるように」「かわいくしたい」などなにかしらの課題や目的があってデザインはスタートします。最終的な方法こそ「鍼灸」と「デザイン」で異なりますが、顧客の問題を解決するという点では両者は共通しています。

なかでも私が鍼灸師とデザイナーが似ている、と思う一番のポイントは【①診察(ラポール) / 発見(共感)】【②方針の決定 /  コンセプトの決定】のところ。いわゆる診断の部分です。この仕事をはじめて10年ちょい、業界的にはまだまだヒヨッ子の鍼灸師ですが、経験をかさねるごとに診察の重要性を感じます。

 

鍼灸師とデザイナーさんの診断

望診(目で見る)→観察
聞診(声やにおいを聞く)→リサーチ
問診(問かける)→インタビュー
切診(触れる)→ラフ作成

 

たとえば患者さんが頭痛で来院されたとして「頭痛ですか、じゃあ頭痛のツボにお灸しましょう」とはなりません。いつから、どれくらい(強度、頻度)、どこが、どんな風に痛いのか?お悩みの全体像を把握する。そして生活のどのシーンで不都合を感じているのか?どのようになりたいのか?についてもうかがいます。治療の前には必ず診察、診断が先行するのです。

デザインも同様に、「鍼灸院のロゴ作ってください」とお願いして「了解です。はい、できました!」とはならないわけです。ロゴにどんなことを求めているか(わかりやすさ、親しみ、重厚、かわいい…etc)?どんな会社か?患者さんはどんな人か?どんなことをしていきたいと思っているか?双方のイメージが一致した状態で「では後日ロゴの案を数点用意しますね」となるのが普通です。(反対にこの人には仕事を任せたくないな、という営業やデザイナーさんはいきなり商品の提案をしてきます。ひとつのチェックポイントになるやもしれません)


さて、共通項が多く見受けられる鍼灸とデザインですが、実は両者の間では最終的に行うサービス以外で異なるポイントが1つあります。それはフォーカスする対象です。デザイン(またはデザイン思考)の診断が『人を中心に考える』というのに対して、鍼灸の診察は『(基本的には)病を中心に考える』という違いです。

 

こういった理由から患者さんの健康状態はデザインすることができても、患者さんとの関係はデザインすることは苦手なのかもしれません。ただし本質的に必要とされる素養(診断力、課題発見力、言語化力etc)は共通しているので、鍼灸師はそれをすでに持ち合わせているはずです。


今まで病を見ることに特化していた技術を患者さん自身に向けることができれば、鍼灸師と患者さんの関係をデザインすることは意外とたやすいのではないでしょうか?治療と同じ、きちんとした診断がたてば道筋はおのずと明快になります

 

以上が鍼灸師≒デザイナーについてのわたしの考えです。ブログはまだまだ続きます。………to be continued


セミナーのご案内はこちら

 

セミナーに参加される方へ】
セミナー当日は以下のような流れで進行致します。


Ⅰお灸堂×デザイン…コンセプトと実例集
鍼灸師×デザイン…鍼灸師≒デザイナー
Ⅲ〇〇をリ・デザイン…当たり前を見直すワーク

こちらのセミナーでお話する内容は意図的にこちらのブログ書くようにしています。その理由は
ご参加頂く皆様に当日は学ぶことより「考えたり手を動かすことに集中して頂きたい」という意図によります。頑張って更新しますのでこちらのブログはぜひ予習テキストのつもりでご覧くださいませ。



 

「お灸×デザイン」の理由

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こんにちは鋤柄(すきから)です。この度、お灸×デザインというテーマでセミナー(ワークショップとお話)をさせていただくことになりました。

 

案内ページはこちら

 

「臨床」でも「経営」でもなく「デザイン」というのはちょっと珍しいかもしれません。そんな変わったセミナーに、すでに多数の方からお申込みを頂いています。どうもありがとうございます。いよいよセミナーの本番も近づいてまいりました。準備も進めつつ、ご参加いただく皆様が万全の状態でセミナーにご参加いただけるようにこちらのブログで情報の補足をしていきたいと思います。

vol.1「お灸×デザインの理由」

まずはじめにお伝えしなければならないのは、私はデザインができるデザイナーではないということです。どこにでもいるふつうの鍼灸師。ふつうの一人治療院の院長です。ではなぜデザイナーでもない私がデザインについてセミナーをすることになったのか?今日はその理由についてお話ししようと思います。

 

私は今年で鍼灸師になって11年になります。鍼灸ってのは良いお仕事で臨床を続けていると患者さんのご調子が改善される嬉しい機会に遭遇できることがままあります(もちろんすべての患者さまというわけではありませんが)。「もっともっと多くの方に鍼灸を受けて頂き、お役に立ちたい」というのはきっと鍼灸師ならば誰もが思うことでしょう。ただ我々の受けて欲しい気持ちとは裏腹に鍼灸を受けるためのハードルは高く、適応症であるにも関わらず治療するに至らないケースも多々あります。私自身「鍼灸ってのはモノは良いのになかなか伝わらないなあ…難しいなあ」というのが開業以来の考えであり、悩みの種でした。

 

そんな考えが変わるきっかけになった出来事がありました。それは数年前にはじめて出店した手作り市でのことです。開業当初はとっても暇だったので院でサボっているよりは…と販売用に台座灸を持って、軽い気持ちでの近所の公園へ向かいました。なにせはじめてのイベントだったので名前でも覚えてもらえばいいかなくらい気持ちだったのですが、蓋を開けてみると丸一日大盛況。持ってきたお灸も売り切れて、のどがガラガラになるほど一日中鍼灸東洋医学の話をお客さんに披露していました。この出来事から

「ひょっとして皆鍼灸のこと大好きなんじゃないの?」
「こちらが難しく考えすぎていただけなんじゃないの?」

なんてことを感じました。現場で一般の方の声に触れると鍼灸は世の中からもっと必要とされていて、私がそちらの方を向いていなかったのではということを痛感しました。

 

鍼灸師「受けて欲しいのに受けてもらえない」
患者さん「(悩みを改善するために)受けたいのに受けられない)」

 

両者の思いは相思相愛のようでいて、現実にはミスマッチが起こっています。このミスマッチこそが問題のボトルネックなのではないか?というのが私なりの考えです。ではこのミスマッチの原因はなんなのでしょうか。技術なのか?経営なのか?伝え方なのか?………頭をしぼって考えている最中にたどり着いたのが今回のテーマ「デザイン」でした。まずデザインの意味を引用しておくと

デザイン【design】
① 下絵。素描。図案。
② 意匠計画。製品の材質・機能および美的造形性などの諸要素と、技術・生産・消費面からの各種の要求を検討・調整する総合的造形計画。

 

と、あります。意味から察するに計画、意匠、課題解決といった意味でとらえることができます。強調しておきたいのはデザイン=装飾(オシャレ)ではないということです(実際の問題として単純にオシャレにするだけでは問題は解決できないと思っています)。わたしの場合は問題解決、チューニング、調整といった意味合いでこの言葉を使っています。

 

患者さんと鍼灸師の間で微妙にすれ違った関係をちょうど良く「デザイン」すること。「デザイン」を通してもう一度患者さんと向き合うこと。それがこれからの私たちには必要になってくるのではと思っています。この発想を多くの方を共有したい。この課題に共に取り組む仲間が欲しい。そんな想いからこのようなセミナーを行うに至りました。ひとまずこのあたりが「お灸×デザイン」の理由となります。一緒にお灸×デザインを考えましょう。

 

開催日は刻一刻と近づいてきますがもう何回かは更新してお灸×デザインを深堀していきたいと思います…………to be continued

 

セミナーはこちら

 

ここまで読んで「ちょっと気になるな…」という方は当日ぜひお会いしましょう。「もう申し込んだけど思ったのと違う…」という方はご遠慮なくキャンセルなさってくださいね。

 

看板の作り方【2018年最新版】

看板の作り方【2018年最新版】

 


人生のうちで「看板を作る」という機会はそうあるものではないかもしれません。しかし、あなたがお店をはじめる予定があるのなら看板は必要になることでしょう。文字通りお店の顔となる看板。これが意外と曲者で既製品は良い物が少ないし、お願いするにも正直よくわかりません。「とりあえずわかればいいや」ではちょっと味気がないですよね。そんなわけでお灸堂では院長鋤柄が看板を手作りをしています。看板については以前(お灸堂のA型置き看板をDIYする方法 – 新町 お灸堂 – Medium)にもまとめたことがありますが、さらに簡単にできる方法にたどり着きましたので改めて記録しておこうと思います。

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こちらの看板の作り方です。

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歴代の看板たち。左から初代、二代目、三代目

まだ処分していなかったので記念に一枚。改めて考えるとお灸堂は開業4年と少しなのに看板は3代目。1年ちょっと毎というハイペースで看板を変えてその都度リニューアルしています。

必要な材料

●板×2枚(当院はタモ集成材)
●丁番
●あおり止め※1
●マスキングテープ
●デザインカッター(orレーザーカッター※2
●スプレーのり(レーザーカッターの場合は不要)
●水性ペンキ(好きな色)
●刷毛
●ワックス(ブライワックス)
●ぞうきん(ワックス塗り込み用)
●木材防水スプレー
●新聞紙

※1検索して頂ければ「ああこれか」とわかるはず
※2最近は都会に行くと機材を貸してくれるところがあるはず

 作り方

⓪構想を練る

看板なんてものは世間にあふれるほどあるので一見簡単そうですが、自分でやろうとなると意外と手が進まないもの。「言うは易く行うは難し」の典型のように思います。まずはどんな看板を作りたいか構想を練ります。私の場合は京都市内をフラついて気になったり目についたりする看板を写真で撮りためていました。こういう時はすでにある良いものをマネるのが一番。f:id:okyudo:20180122000924j:plain出歩くのが面倒な方はPinterestピンタレスト)というアプリが沢山情報を集められて便利です。さらに面倒な方は今回まとめた方法でとりあえず作ってみましょう。

 

①材料の準備

ほとんどは近所のホームセンターでまかなえますが、看板の肝となる木材とワックスについて少し。

〇木材

ホームセンターでも購入できますがWEBで木材を注文するのがおススメです。コストが安く済むというのポイントですが、一番の利点は厚さや形が自由に選べるということ。後述しますが、薄いと軽くて飛んでしまったり、変形してしまうというトラブルが起こります。厚め(25㎜以上)が本物感が出てグッドです。うちが良く使うのはこちらの業者さん⇒(https://shop.woodworks-marutoku.com/)。木材の種類がたくさんあって迷いますがうちではタモ集成材というものを使用しました。これはお好みで。

〇ワックス

木材の着色、つや出し、保護を目的としたものです。私はブライワックスという蜜蝋ワックスを愛用しています。おススメポイントは以下の通り

1、色が沢山選べる(ナチュラル調からアンティーク調まで)

2、木目が生きるので高級感が出る

3、失敗しにくい(半練り)

4、塗り込む作業が楽しい

DIYした家具にはすべてこのワックスを塗り込んでいます。熱に弱いので屋外用には不向きなのかもしれませんが、そこは好みで。インターネットで購入できます。

 

②ワックスの塗り込み

まずは購入した木材にワックスを塗り込みます。ぼろ布に適量とって木材にゴシゴシと塗り込む感じ。結構力のいる作業ですが、木材に色が載ってどんどんツヤが出てきます。この作業をしていると「これから宜しくね~、頑張ってね~」と看板に愛着がわいてきます。塗りを重ねて磨きこむと少しづつ色も濃く、ツヤも増してお寺の廊下のような雰囲気が出てきます。好みの加減に近づくように仕上げてみてください。

 

③塗装の下地準備

ワックスで下準備ができたらいよいよ塗装に入ります。まずはせっかく塗ったワックスがペンキで汚れてしまわないようにマスキングテープでぐるりと覆います。

 

④塗装面の切り出し

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切り出した終わった看板

色が載る部分を抜いていきます。塗装面が簡単なものならデザインカッターで、電話番号や連絡先など細かい情報を載せるのならレーザーカッターの利用がおススメです。

〇デザインカッターで作業

1、ワードやエクセルで看板のロゴや文字を印刷
2、印刷した紙をマスキングテープに仮付けして位置の確認
(仮付けした状態で設置場所に置いてみて見やすさなどの確認をします)
3、スプレーのりを使って紙を張り付け
4、カッターで紙とマスキングテープを切り出す

〇レーザーカッターで作業

塗装面が複雑、自信がない、面倒くさい、という場合はレーザーカッターという機会を利用するのがおススメです。その名の通り、レーザーで必要な形に切り抜いてくれる機会であっという間に作業が終わります。こちらの機会は色々な場所で借りることができるのでご近所で探してみてください。(https://fabcross.jp/list/series/fabnavi/)看板が大きすぎると機械が対応できないので事前に調べておくことをお勧めします。

 

⑤塗装

カッターで抜いた部分をペンキで塗っていきます。スプレーでも塗装は可能ですがペンキの方がベタ感やツヤ感が出てキレイですのでお勧め。少し緊張しますがマスキングテープの上からベタっとペンキを載せてしまいます。ペンキを載せたら半乾きの状態になるまでしばし待ちます。半乾きの状態になったらまずキングテープをめくります。カッターで抜いた部分にキレイに色が載ってとても気持ちの良い瞬間です。注意点としてはペンキを乾かしすぎないことがあげられます。完全に乾いた状態でマスキングテープをはがすとペンキも一緒にはがれて…

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おわかりいただけるだろうか?ペンキが剥がれてしまいます

せっかく塗ったペンキが一緒にはがれてしまいます。結構落ち込みます。(この後もう一度マスキングテープを貼りなおし、もう一度カッターで切り抜いて塗装をしなおしました)皆さんはくれぐれもご注意ください。

 

⑥防水、防腐スプレーの塗布

屋外に置きますので木材用の防水防腐スプレーを塗布します。これを塗ってあげると雨の日も水をはじいてくれますので看板が長持ちします。

 

⑦組み立て

丁番で板を接続し、あおり止めで好みの角度に調整したら完成です。

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これがあおり止めです

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上から、丁番は大きくてしっかりしたものを

今回作ったのはA型の置き看板と言われるものです。場合によってはもう少し厚めの板で立てかけるだけにしてもかわいいかもしれません。

 

過去の失敗ポイント

①木材はいいものを
手作りですませばコストは安く済みますのでその分木材は良いものを使った方がよさそうです。初代の看板は開業に合わせて友人に用意してもらったものですが軽いので強い風で飛んでいってしまいました汗。3代目は完成図上からの写真を見て頂くとわかるように少しづつ割れが出てきています。

②めんどくさがって手書きしない
ペンキ屋さんは刷毛で器用に看板を塗っていきますがあれはあくまでプロのなせる業。
一度刷毛での塗装も(割と器用な)妻がチャレンジしまいたが、手作り感が出る仕上がりになりました。これはこれでいいのですが…

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④塗装はペンキが吉
色々つらい思い出もありますが、塗装は断然ペンキがおススメです。看板らしい看板になります。

⑤防水処理はきちんと
初代看板は防水処理をまったくしない状態で屋外仕様していましたが数カ月で水のつく底辺の部分が腐ってきました。

⑥塗装の前に置いて確認を
3代目の看板は特に確認せず真ん中あたりに位置を決めてしまったのですが、実際配置すると目線よりやや低くなって見にくい位置でした。塗装の前に一度確認をしておきましょう。

⑦丁番は大きめのサイズで

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2代目の丁番は小さめの物を使っていましたが、ネジも小さいので経年劣化で最終的に写真のように外れてしまいました。大きめのしっかりした丁番がおすすめです。

手作りのメリット3つ

①コストが下げられる
見積りを出していないのでなんともいえませんが、コスト的には半分くらいには抑えられるのではないかなと思います。(実際の作業時間や周辺の機材を買い集めたりするとたのんでもあまり変わらない場合もありますが汗)

 

②心がこもります
自分で作った看板、家具は愛着も一層深まります。自分で作った家具で少しづつお店を育てて、患者さんお客さんをおもてなしできるのは日々の喜びです。掃除や手入れにも熱が入ります。

DIYマインドが育つ

「お金がないから」「気に入ったものがないから」「タイミングが合わないから」等々。油断していると色々な理由をつけて先送りをしたくなるのが人情というものです。DIYをしているとこのあたりのマイナスな感覚が「とりあえずやってみよう」「なければ作ろう」「失敗したら工夫しよう」というDIYマインドにチェンジしてきます。サントリーの創業者も言っていました「やってみなはれ」です。

まとめ

いかがだったでしょうか?私自身几帳面な方ではないので、いつもこんな感じに失敗を重ねながら創意工夫をしています。また実際に自分でしてみるとプロの仕事の価値や理由にも気が付くので、実際にお願いする時により具体的な依頼がしやすくなります(然るべきタイミングでは信頼できるプロの力を借りましょう)。「迷っていたけどちょっとできそうかも、、」という気がしてきた方はこの機会にぜひ看板作りにトライしてみてください。

 

ぜひお試しあれ!

 

「きょうの灸せんせい」最終話!!!

 

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エレガンスイブ12月号より「きょうの灸せんせい」最終話の扉

台風が過ぎて京都は木枯らしが吹いてもはや冬のような京都。半年ぶりに暖房をいれて久しぶりのブログの更新しています。10月26日(木)発売のエレガンスイブ12月号で当院が監修しているお灸漫画「きょうの灸せんせい」が無事最終話を迎えました。全12話、打ち切りではなくて一応予定通りの最終話です。昨年の今頃から連載がスタートして、7月には単行本1巻も発売(単行本は8000部刷られたそうで、これから8000人がお灸に思うと少しワクワクしますね。)。同業の先生方やお灸ファンの皆さんからは「待合室に置いてます」「患者さんにおススメしてますよ」「お灸はじめました」などなど嬉しい感想をいただきました。改めて御礼申し上げます。
 

連載が終わって、今はホッとしたのが半分、締め切りがなくなった寂しさが半分。個人開業の鍼灸師は学ぶことも、やる仕事も多いので寂しがるような暇はそうないはずなんですが。過ぎたことはどんどんとお忘れていってしますタチなので今回の件に関するご報告もかねて「きょうの灸せんせい」を振り返ってみたいと思います。

きょうの灸せんせいとは

まずは「灸せんせいって何よ?」という方のために簡単にこの漫画のご説明を。『きょうの灸せんせい』とは主人公の夕花が彼氏とのトラブルきっかけに、ガタガタっと体調不良に悩まされるようになり、通りがかりにお灸治療院(お灸堂)へ駆け込むところから始まる[お灸×恋愛]漫画です。漫画雑誌エレガンスイブで毎月1話、1年間連載されました。(エレガンスイブ秋田書店さんより発刊されている漫画雑誌。「サチのお寺ごはん」「凪のお暇」「ちひろさん」「海獣さん」など)。基本的な構成は主人公をとりまく日常のストーリー、関連するお悩み、悩みに関連するツボ、東洋医学の豆知識となっていて、ほぼ1話完結です。

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舞台の鍼灸院はそのまま当院がモデルになっていますが、登場する鍼灸師(久先生)は架空の人物で、モデルも別にいます。外見はたしかノルウェーのイケメン将校がモデルでそこから主人公と恋に発展しないようにやや中性的なイメージしたりと色々紆余曲折があったそうです。

そもそもの経緯

それでは今回の仕事がスタートした経緯の説明を。これには偶然が偶然を呼ぶ不思議なご縁がありました。

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一連の流れ

ことの発端はご近所の切り絵作家の佐川綾野さんhttp://riculi.com/。佐川さんが通販会社のフェリシモさんから切り絵の教材(毎月テキストと教材が届く、自宅でできる習い事のような商品プログラム。) を作っていて、その担当者のUさんをご紹介頂いたのがそもそものきっかけです。簡単に自己紹介をすると「お灸いいですね」と好感触。その時点では特に仕事ということでもなくまた機会がありましたら、とお別れしました。しばらく経ってからUさんより「フェリシモからお灸のプログラムを出しましょう」とご依頼を頂き、まずはお灸プログラムの作成が決定。そのままUさんと京都在住のデザイナーOさん(実はツボ療法に見識が深い)のサポートをもらいつつ教材の準備にとりかかります。ここまでが区切り。

これとは別件で実は精進料理の教材を作るほどの熱心な仏教ファンだったUさんが関東のお寺イベントに取材のために出張。そこで偶然(精進料理の漫画の取材に来ていた)エレガンスイブ編集者のSさんとお知合いになったようで

編集Sさん「新人の漫画家がデビューする題材を探しているんですが何か面白いネタってありませんか?」

フェUさん「それならちょうど今、うちでお灸の教材を作ってますよ」

編集Sさん「お灸面白いですね!?詳しく聞かせてください!」

…という話があったとかなかったとか。両社がターゲットにしているお客様の層が重なっていたこともあり、話は随分スムーズに決まったようです。

 後日担当のUさんより「鋤柄さん、お灸の漫画やりましょう!」言われた時は流石に度肝を抜かれましたが

f:id:okyudo:20171030012605p:plainそんなこんなで諸々の調整を経て

  • フェリシモのお灸プログラム(全12回)のテキストの作成
  • お灸プログラムに短編の「きょうの灸せんせい」を掲載。
  • エレガンスイブで「きょうの灸せんせい」連載(プログラムに合わせて12話、各話のテーマも合わせる)
  • せんねん灸の商品も漫画に掲載

このような内容に決定しました。人生なにが起こるかわかりません。気が付けば大きなうねりとなりました。偶然とはいえ結果的に以下のようなメリットが各々に発生しています。

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フェリシモさん…教材の内容を充実させつつ、エレガンスイブの読者層にもプログラムを知ってもらうチャンスが
エレガンスイブさん…漫画家さんのネタ元を確保しつつ、フェリシモのお客さんへの知って頂くチャンスが
③せんねん灸さん…商品の販売チャンスの拡大
④読者さんてお灸で健康になる
⑤お灸堂とにかく頑張る

つながるごとにメリットが広がる、これぞまさに三方良し。また、こうして他の業界の方と一緒にお仕事すると鍼灸師は意外と感心を持たれているということがわかります。さらに医療職の中では比較的自由度も自立度も高い業種なので、できることの幅もわりかし広いと。「なんだ鍼灸師ってイケてるじゃん」という感じです。

 

監修のお仕事

お灸プログラムの方については思いのほか大がかりの仕事になったのでまた別の機会にまとめるとして、漫画部分に関わるお仕事について。まず漫画とはざっくりと以下のような流れで作られています。

⓪取材…ストーリーのもとのなる材料(知識、人物など)の準備
①ストーリー作成…話の大筋を決める
②プロット…ストーリーを会話形式にする
③ネーム…コマ割り、構図、キャラクター、セリフなどを用紙におこす
④ペン入れ…ネームを基にペンを入れる
⑤完成…入稿、印刷されて皆さんのお手元に届く

 

まずは漫画家さん、編集さんにお灸堂へ来て頂くところからスタート。まずはお灸治療を受けて頂きます。お二人ともお灸治療ははじめてで結構驚きの体験だったそうな。その後、治療や患者さんとのエピソードについてのインタビュー。後日お灸や東洋医学についてのネタ的なものをまとめてお送りしてひとまず取材は完了。それらを材料にして、漫画家さんがキャラクターやストーリーを作り上げていきます。

大筋が出来上がり、いよいよ各話の制作がはじまるといよいよ監修の仕事もスタート。出来上がっているものに対して「これでOK」「ここはちょっと」というチェックだけの場合もあれば、制作の序盤(準備、プロット)のあたりから関わる場合もあって関わり方に幅があ。今回の場合はじめは前者、だんだん作業に慣れてきた4話以降から少しずつ関わる頻度が増えていきました。監修の作業は概ね以下の3パターン。

 ①専門的な監修
お灸の使い方、ツボ、東洋医学的な説明について、患者さんのセリフ(主訴の表現として適切か)、鍼灸師のセリフ(説明の仕方や患者さんへの声かけとしてリアリティがあるかなど)

②わかりやすく監修
上記の専門的な内容を一般の方に理解できるような表現にする。普段患者さんへ説明しているようなニュアンスにする(あと舞台が京都だったので関西弁の監修も)

③材料の準備
5話以降は各話で扱うお悩みやテーマについてのまとめやお悩みのある患者さんに特徴的な症状、エピソードの資料を作成したりしてました。

お互い拠点が離れているので以上のような作業をメールのやりとりで進めていきます。作業の窓口は編集さん、漫画家さんは漫画に集中。そんなわけで漫画の作業については9割型編集さんとの協力プレイになります。

ちなみにこの編集というお仕事、ものすごく重要かつ大変です。横目で作業を見ている限り
・漫画のそもそもの企画
・漫画家さんの窓口
・漫画の編集作業
・スケジュールの管理
・漫画家さんの心身のケア
SNSの告知などなど
鍼灸師に担当編集者がついたらもっと業界がパワーアップするのでは?
とか思ってしまいます。


話によっては漫画家さんが東洋医学のネタも独自に用意して下さっていたり、用意したネタが今一つでボツになったりと人と一緒にものを作る大変さや楽しさは、個人開業の鍼灸師からするとなかなか新鮮です。

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2話より、「気」の消耗のイメージは村瀬先生のアイデア


漫画家さんサイドからすれば編集さんに加えて監修があれこれ言うのでなかなか窮屈な思いをさせてしまったのではないかなとも思います。致し方ないことですが。月刊なので前半はゆったりペースでしたが連載が続くにつれては締め切りに追われること増え、スケジュールがかなり厳しい回もありました。仮に週刊だったらと思うとゾッとします。週刊誌で好きな漫画が1回休載になるくらいはまったく気にならなくなりました。なんでも経験するもんですね。

漫画に込めた想い

 並行して制作したお灸のプログラムと「きょうの灸せんせい」には共通のテーマがあります。それは『ふれあい』『お灸(東洋医学)』『成長』の3つ。主人公や登場人物は具体的なカラダの症状(冷え、むくみ、疲労)に加えて、『ふれあい(コミュニケーション)』にも悩みを抱えています。その関係を『お灸(東洋医学)』が整えていきます。東洋医学では内(こころの悩み)と外(からだの症状)が関係し合うという大前提があるのでココはとっても重要なポイント。ちょっとこの子大丈夫なの?と心配になるような素直で思い込みが激しい主人公の性格は『成長』のイメージです。

 古くから日本へ伝わり、私たちの生活に根付いたお灸(東洋医学)には『医療』と『文化』の2つの面があります。近代に入る以前は漢方や東洋医学は言わずもがな『医療』の中心であり、それと並行して家庭や友人に据える『文化』としても存在し続けました。

 私はお灸治療が専門ですので『医療としてのお灸』は常に高めていきたいと思っています。ただ、患者さんや今の世の中を見渡すと『文化としてのお灸』が以前よりも必要になってきているのではと思っています。今回の作品は漫画とHOWTOのちょうど中間のような内容になっています。今の時代ネットでちょっと検索すればツボの場所もお灸の方法も調べられます。だけど実際多くの人はお灸を据えるまでには至りません。思うにテキストだけでは伝わらない隙間の部分。そういったことを伝えるために有効なのが漫画のようなストーリーの強みでしょう。『きょうの灸せんせい』モデルにして。読んだらぜひ据えてみてください。

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こんな風景が日本に増えれば、もっと住みよい国になるのでは…

こんな感じの風景が日本全国、各家庭で見られるようになることが私の目標です。

ひとまず連載の仕事が終わり、順調にいけば単行本2巻の準備が始まるのではと思います。 編集Sさんより「きれいに話がしまったのでショートストーリーの連載も考えたい…」なんて話もありました。

ツボの探し方
お灸のコツ
東洋医学の養生法など
他のお悩みに対するお灸

まだまだお話したい内容がたっぷりあるのでなんとか続けて頂きたいところです。
そんなわけで、なにしろありがとうございました!!!

 

 

「読んでみたい」「据えてみたい」
という方はこちらからぜひに↓

 

 

 

 

 

 

 

 

 

尾道でお灸堂

「鋤柄さん尾道でお灸教室やりませんか?」

京都から尾道へ活動の拠点を移して、いぐさの普及活動をしているブチさんからそんな誘いをもらったのは一昨年の夏頃。京都のころからいつも小難しい顔をして、コツコツと面白い企画をつくる彼女の誘いとあって二つ返事で快諾した。その日からのんびりと準備をはじめてイベント自体が決行となったのは翌年の1月。ちょうど尾道に行く用事があったご近所のゾノさんとおじさん2人の尾道旅。

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京都駅からバスでゆられること数時間すれば目的地のJR尾道駅へ到着する。尾道駅を挟んで向かい側は海。そして尾道ラーメンの看板の数々、駅前からしてすでに尾道は絶景です。ブチさんとの待ち合わせは夕方頃ということだったのでそれまでは半日ほどの尾道観光。海沿いの店で挨拶代わりに尾道ラーメンを啜ってから商店街とひたすら歩きゾノさんの目的地の「尾道デニム」へ。

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ゾノさんはこちらで打ち合わせがあるそうなので、ここからは別行動、商店街のを歩いて「アナゴノネドコ」というゲストハウス横の細い路地を抜けた突き当たりに「紙片」という本屋さんがある。ごくごく静かなピアノの音が優しい。男前のご主人とこの界隈では有名人らしいブチさんの話でもりあがる。

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商店街からすこし歩くと線路を挟んで急な上り坂に住宅地が広がって、坂の街と言われる尾道らしい風景が広がっています。様々な映画の舞台になっているそうですが、私としては少年マガジンで連載していた漫画『ぱすてる』が思い出の作品。感慨深い眺めです。坂をひたすら登って入り組んだ地形歩いていると見えてくるのが「ネコノテパン工場」さん。ガーランドが坂の間にかかってかわいらしいお店です。パンを買って歩きながら食べていると坂に住んでいる多分野良猫が、おこぼれをあずかろうと寄ってきます。少し後ろを線路手前まで追いかけてきてこれまたかわいらしい。

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駅前で仕事の終えたゾノさんと合流してからブチさんとの待ち合わせ場所のonomichi U2へ。少し仕事が長引きそうだという連絡があったので施設内にあるカフェで時間を潰すことに。コーヒーを頼んで海沿いのテラス席をおじさん2人で陣取り、熱々のコーヒーを啜る。お互いに半日歩き疲れたのか、海を挟んで向こう側に見える造船所のクレーンをぼーっと眺めながめていると「ここ数年こんなのっててなかったな。。。」どちらともなく呟やいて頷く。この数年ゾノさんは京都の五条界隈を拠点にして忙しく動き回っていたし、3年前にお灸堂をはじめた私も、仕事とはいえこんなにゆっくりとした時間を過ごすのは久しぶりでしんみりとし気分になる。


そうこうしているうち遅れていたブチさんが自転車で登場。うっすらと日焼けしてなんとも健康的な尾道ガールに進化していた。以前の小難しい顔が嘘のようで、海外生活から帰った人が陽気に変貌するように尾道の温かい気候がそうされるのかもしれない。思い出話と翌日のお灸教室の打ち合わせもそこそこにブチさんに連れられて尾道駅から少し足をのばした新開地の居酒屋「仲よし」さんで晩御飯。とりあえずビールを飲もうかと話しているとブチさんが冷蔵庫から瓶ビールを取り出して注いでくれる。おでんと小鉢をいくつか、最後はもつ鍋を頼む、私は温かいスープに熱燗が止まらなくなり、ゾノさんは手の震えが止まらなくなった。「わしが宝くじで一等当たったらさ、この辺土地を買い取って若い子たちに店をやってもらうんよ」と親父さんの十八番らしい語りを聞いてから一同感動してから世も更けてきたのでお店を後にした。

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お灸教室をする向島までは尾道駅近くの船着場から渡船で数分のところにある。運賃はたしか40円ほど。酔っ払った顔に海の風が気持ち良い。最後の最後までまで尾道は楽しい。

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ぐっすり眠って翌日のお灸教室が大盛況だったのは言うまでもありません。

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そして最後にお知らせです。私にとって素敵な思い出話ずくめの街尾道でこの度半日と少しお灸のセミナーをさせて頂きます。本当は毎年でも訪れたいところなのですが治療院の都合で尾道での講座も最初で最後くらいかなと思っています。開催は来週ですがまだ数名は定員にゆとりがあるそうですのでピンときた方はいかがでしょうか?

オノミチライフスタイルお灸学ー日本の古き良き温活ー
定員:6名
日程:3月25日(土)10:00〜16:00
授業料:10000円(全5回/税込)
会場:尾道自由大学キャンパス[広島県尾道市土堂2−9−33豊田ビル3階]
山陽本線尾道駅より徒歩15分

詳細はこちら

 https://onomichi-freedom-univ.com/lecture/lifestyle-moxibustion.html

 

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スナックを改装したブチさんいわく最も美味しい尾道ラーメンのお店「クラウン」前回は時間の都合で伺えず、ぜひとも今回のはチャレンジしたいと思っています。